いくつになっても自立した人生を楽しむライフスタイル
「お気に入り」に囲まれてもシンプルな部屋になるコツとは?
「好き」や「思い出」など、お気に入りに囲まれながらも、スッキリとシンプルな暮らしがしたい。
雑誌などでもこのテーマで特集が組まれ、インテリアプロデュースをご依頼いただくお客様からもこのようなご要望がよくあがります。
そう願いながらも、狭い部屋にはモノがいっぱい。
年齢を重ねるごとに、「好き」なモノも「思い出」も増えがちです。
「好き」や「思い出」など、お気に入りに囲まれながらもシンプルなお部屋にするにはどうしたらいいの・・・?
そのヒントを求め、2019年の『北欧の暮らしをめぐる旅』では、
フィンランドの首都・ヘルシンキに住む、トゥアさんのお宅をたずねました。
インテリアのテーマカラーを赤と黒
トゥアさんは75歳(2019年当時)は、87.5㎡のマンションにお一人暮らし。
白を基調として、テーマカラーは赤と黒でインテリアをまとめられています。北欧の人たちは、「私のテーマカラーは何色なの。」と答えられる方がほとんどです。このようにテーマカラーを決めるとスッキリしたお部屋の印象になります。
日本では、白一辺倒のお部屋がスッキリとして見えると勘違いされている方も多いですが、お部屋に置く「モノ」にも色があります。
これらのモノの色も統一するか、見えないように収納するなどしないと雑多な部屋の印象になりがちです。
シンプルとは『引き算の美学』
トゥアさんの「お気に入り」は、 コルビュジェやアイリーングレイ、アルヴァ・アアルト。モダンな家具を中心にインテリアを整えられています。
色もそうですが、あれもこれも「お気に入り!」ではなく、自分の「お気に入り」を絞る。シンプルとは、本当の「お気に入り」を選び取り、それ以外はそぎ落とすこと。その潔さが引き算の美学となり、私たちの心を惹きつけるのではないでしょうか。
「思い出」は「思い出す」ためにある
日本人は「思い出」のモノの扱い方が下手です。
とにかく、収納にしまいがち。
トゥアさんは職業柄、日本やアフリカなど海外と縁があったそう。その「思い出」の品々をアートとして飾られていました。
「日本の花嫁衣裳は最も美しい」と語ってくれたトゥアさん。
日本人として、なんだか嬉しくなりました。
また、これまでデザインを手掛けた毛皮をすべてとっておくことは困難です。そこで、毛皮をちいさくカットし、パッチワークにして、ソファのスローとして使われていました。
「なんて素敵なアイディア!」「とても温かい気持ちになる」と参加者一同から、感激の声があがりました。
「思い出」は「しまうもの」ではなく、「思い出す」ためにある。
そんな当たり前のことを、トゥアさんのライフスタイルが思い出させてくれました。
いくつになっても「自立した人生を楽しむ」
特に女性は、年齢を重ねると「もう家事をしたくない!」という気持ちになる人も多いでしょうか。また老後は、元気なうちにどこか施設に入った方が安心かもしれないと考える人もいらっしゃるかもしれません。
実は、トゥアさんは幼少期に小児性まひになり、足が少し不自由です。それでも一人料理や掃除などの家事をしながら暮らし、仕事を続けている。
自分の足でしっかりと立ち、自分の人生のかじ取りは自分でしている。トゥアさんのいくつになっても「自立した人生を楽しむ」生き方は、私たちのこれからの老後のありかたを教えてくれました。
このように、北欧の人々から私たち日本人は、これからの生き方や暮らし方について多くを学ぶことができます。
来年には、『北欧の暮らしをめぐる旅』を再開しようと着々と準備を進めています。
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